よねの口から寅子の口癖「はて?」が
そして、尊属殺に関する美位子(石橋菜津美)の最高裁での裁判について。
よね(土居志央梨)はこの裁判の争点を明確にしたうえで、ズラリと並ぶ15名の裁判官たちに寅子の口癖「はて?」で問う。美位子が犯してしまった事件までの過程で、道徳の原理を踏みにじったのは誰か。
美位子の苦しみによねの過去も重なり、重量が増す。過剰であるにせよ、美位子はこれ以前に、何度も何度も人権を蹂躙され、心を殺され続けてきている。
翌年、最高裁はこれまでの判決を棄却、尊属殺規定は憲法に反すると明言した。穂高(小林薫)の頃から23年。長い年月がかかった。それでも、たしかに歴史は変わった。過去のどれも無駄にはならなかったという事実に、力をもらえた。