明らかになったよねの生い立ち
今回、よねの生い立ちも詳らかになった。
よねは、百姓の家に次女として生まれ、幼いころから家のことを手伝ってきた。姉は15歳になったときに売られてしまい、自分も売られそうになって家から逃げ出した。
「女を辞める」と言ってカフェで働きながら、置屋の主に騙されている姉を助けようとしたが、主にお金を払わせることはできたものの、結局姉は働く場所を追われてしまったという。よねに力を貸してくれたカフェの客は、よねの頬を触り「法は力だ」と言った。だが、実際にはお金は手に入っても、救いたかった人を救えてはいない。
怒りとともに生き、自分の性別を憎んできたであろうよねにとって、弁護士になることは初めての希望だったのかもしれない。「いまのわたしのまま、舐め腐ったやつらを叩きのめす力が欲しい」というよねに、寅子たちはかける言葉を見つけられなかった。
それでも、よねの張り詰めた表情をほどきたい寅子。自分は月経が重く、始まると4日は寝込んでしまう、とよねに打ち明ける。涼子は法廷劇の場で男子学生に食って掛かったよねを羨んだ。よねから見れば恵まれて見える寅子や涼子も、それぞれの事情を抱えている。