母・はるの手帳が糸口に
最終的には、はる(石田ゆり子)の手帳が糸口となって、検察の主張に偽りがあると直言に突き付ける寅子。はるの手帳に間違いがあるはずのないことを誰よりもよくわかっていた直言は、「自白すればみなが解放される」と強要されたことをついに認めた。穂高は「正々堂々と無罪を主張しよう」と決意するが、直言は証言を変えるつもりはないと頑なだ。
寅子は直言の無罪を勝ち取るために署名活動なども積極的に行うが、その最中に暴漢に襲われてしまう。花岡と、たまたま近くにいた新聞記者の竹中(高橋努)のおかげで事なきを得たが、そこで竹中から、今回の贈収賄事件は内閣を総辞職させたい奴らが仕組んだことである可能性が高いと聞かされる。
国会議員をも巻き込むような大きな事件だから、なにか力が働いているだろうことは予想できた。だが、そんなことのために、市井の人々が無実の罪を被らねばならないのか。ふと、手帳にしたためられたはるの文章を思い出す。
味醂干しで3杯もご飯をお代わりしたとか、お腹を下して会社を休んだとか、直言に関する記述が多く見られたあの手帳。日々の暮らしの中で丁寧に幸せを紡いでいた家族が巻き込まれてしまったことが悔しくてたまらない。
この裁判は、負けるわけにはいかない。がんばれ、トラちゃん……!と、改めて拳を握った。