凸凹コンビも軌道に乗ってきた前半戦
第3話では、ついに杏も法廷へ。依頼者は10歳の少年・樋口翔(三浦綺羅)。母親に対する傷害で逮捕された父を弁護してほしいという内容だったが、目的は翔に迷惑が掛からないようにするため。
ところが話は両親の離婚、親権争いにまで及ぶ。当初、翔は母親側に引き取られることを望んでいたが、それが本心でないことを見抜いた蔵前と杏。傷害事件を起こし、金銭面でも劣る状況ではあったが、母親の浪費癖などの証拠をもとに、結果的に父親のもとで暮らすことを勝ち取った。
裁判の前、杏は翔に「本当の気持ちを察してほしいなんて甘えないで。あなたの気持ちを言葉にできるのはあなただけ」と声をかけた。相変わらず物言いはぶっきらぼうだが、人の心に寄り添うことができるようになってきたのではないだろうか。これは蔵前とバディを組んだことによる好影響だろう。
そして、蔵前とだけでなく、香澄法律事務所で働く個性豊かな面々と杏との関係にも変化が見られたのが第4話。
今回の案件は裁判員裁判が適応される刑事事件。先輩弁護士の山崎(松尾諭)が担当する強盗致死事件に協力することに。前科もあり自主してきた木原健太(戸塚純貴)。早々に罪を認め減刑を要求すべきと訴える杏に対し、山崎は強盗については認めず傷害致死を主張すると宣言。弁護方針をめぐって対立してしまう。
結局のところ、山崎が足で稼いだ数々の証拠や証言、そして蔵前が木原から感じていた違和感と仮説をもとに真犯人が特定される大どんでん返し。裁判に見事勝利する。
その裏側では、杏が弁護士事務所の同僚たちの名前を憶えていないことが発覚。蔵前の助言に従い、杏はひそかに名前を覚える努力を重ねていた。そして、実際に裁判が山崎の持つ情報をもとに好転したことから、4話の最後では全員の名前をそれとなく呼びながら会話する杏。少しずつ心を開き成長している様子に、蔵前とともに頬のゆるみを感じた。