ムロツヨシ×平手友梨奈の絶妙なハマり具合
天才だが不器用で傍若無人なところがある杏と、それに振り回されながらも最終的には道しるべのような役割を果たす蔵前。この2人を平手友梨奈とムロツヨシが好演している。
杏は最初こそ表情を変えずに持論を展開する場面が多かったが、蔵前との信頼関係が生まれるにつれて柔らかな表情を浮かべるようになってきた。特に4話の最後では、お気に入りのグミを蔵前から差し出され、にやりと笑うシーンが印象的だった。
平手の整った顔立ちと華奢な体つきが、若く繊細でどこか危なっかしさを感じさせる杏のキャラクターによく似合う。感情を吐露する部分の絶妙な匙加減も、平手が持つバランス感覚のなせる業だろう。
対するムロはコメディに徹し作品にリズムを生んでいるかと思えば、時折、清濁併せ呑んだ大人としての“裏の顔”をのぞかせ、どきりとさせられる。このメリハリこそがムロの持ち味のひとつであることは間違いないし、振り幅があってこそ、元敏腕マネージャー・蔵前という存在の説得力にも繋がる。