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「白か黒」では分けられない“勝ち”

女優の安達祐実
安達祐実Getty Images

冒頭、このドラマはリーガルエンターテインメント作品だと書いたが、同時に法律の限界を感じさせられる部分もある。現に1話の吉岡も2話の若宮も、法律上で明確な“勝ち”とはなっていない。

では被害者は泣き寝入りかというと、そういうわけではもちろんない。蔵前のよき相談相手である安藤カオリ(安達祐実)が1話でこう言っていた。曰く、「白か黒であんたは仕事をしてきましたか?」「白と黒が混ざり合ってグレーでしょうが。あんたの正義はその中にあるんじゃないの?」。

一見軽やかに展開するストーリーとフジテレビらしい笑いの中に、社会の本質が見え隠れする。肩の力を抜きつつも、時折気付きを与えてくれる1作は、金曜の夜にぴったりだ。

(文・あまのさき)

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