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”母”ではなく”友だち”を選んだ弥生(有村架純)

『海のはじまり』第10話より ©フジテレビ
『海のはじまり』第10話より ©フジテレビ

「パパとかママじゃない大人にも、ちゃんと味方っているの。親に縋らなくても生きていけるし、もちろん縋ってもいい」

 弥生が海に伝えたメッセージを聞いて、じんわりと温かい涙が溢れた。これは、現在放送中のドラマ『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)に込められたメッセージにも、通ずる部分があると思う。

 近年、核家族が増加し、祖父母や親戚と離れて暮らすのがスタンダードになっている。そのため、“頼れる大人”は親しかいないと思っている子どもはたくさんいるはずだ。昔のように、よその家の子どもを、自分の子どもと同じように真剣に怒ってくれる大人も、最近は見かけない気がする。

 だけど、頼るのは家族じゃなくたっていいし、視野を広げてみたら、手を差し伸べようとしてくれる大人はたくさんいる。

 しかし、弥生が海の“友だち”に立候補したのには、驚いた。「家族に話しづらいことあったら、友だちに話せばいいよ。友だちだから、会えなくなるわけじゃない」と、支えてくれる“大人”ポジションではなく、同じ目線で語り合える“友だち”をチョイスする弥生のセンス。

 海も、“友だち”と言われたから、「夏くんと2人暮らし、楽しみ?」と聞かれて「うん。でもちょっと不安」と本音を吐露することができるし、「ほんとは、転校したくない。新しい学校で友だちできなかったら、どうしよう」と家族には言えない悩みを吐き出すこともできる。

 大好きなママとは離ればなれになってしまったかもしれないが、海にはたくさん“味方”になってくれる大人たちがいる。祖父母に、弥生に、津野(池松壮亮)に、大和(木戸大聖)。そして、これからは夏がそばにいてくれる。

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