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本作が伝えたかったメッセージ

『海のはじまり』第12話より ©フジテレビ
『海のはじまり』最終話より ©フジテレビ

「ママが死んだ日も、おにぎり食べたの。海ちゃんがいるから。生きなきゃいけないから」

 朱音の言葉に、本作が伝えたかったメッセージが込められていたように感じる。

 人生って、ときに苦しくて、というか苦しいことの方が多くて、幸せを感じる瞬間の方が少なかったりする。どん底にいるときは、「苦しみがないと、幸せを感じられないからね」なんて励まされても、「そんなポジティブに考えられるなら悩んでないわ!」と思ってしまったり。

 でも、どん底にいるときでも、ちゃんとごはんを食べようと思った。辛くてしんどくてどうしようもないときは、行儀が悪くてもいい。横になりながらでもいいから、生きていくためにごはんを食べる。

 生きていくために…と思えないときは、「娘が自分より先に死ぬことを想像してみて。わたしたちはね、娘の遺影を選んだの。それがどれだけ辛いか」と言いながら、涙を浮かべていた朱音の姿を思い出して、どうにか踏ん張ってみる。

 親がすでに他界している人は、水季が亡くなって苦しんでいる津野の、海の、そして夏の顔を思い出してほしい。

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