選んだ道を正解にしていける力
脚本の生方は、自身の連載で、「(『海のはじまり』で)明確に伝えたいことはふたつだけです。ひとつは、がん検診に行ってほしいということ。すべての人が受診できる・受診しやすい環境が整ってほしいです。もうひとつは、避妊具の避妊率は100%ではないということです」と語っていた。夏を演じた目黒蓮も、自身のInstagramに「#人間ドック行こう」と綴っている。
このドラマを通して感じたのは、生きていくのって自分のためだけじゃないということ。自分のために…というだけだと脆いかもしれないから、自分を大切に想ってくれている人たちのために、命を大切にしてほしい。
生きているということは、誰しも必ず終わりがやってくる。いつ生まれたのか覚えていないのと同じで、死ぬ瞬間もきっとそんな感じなのだろう。「始まりは曖昧で、終わりはきっとない」。でも、「いつかいなくなっても、一緒にいたことが幸せだったと思えるように」。いま、生きている奇跡を抱きしめながら、まわりにいる人に精一杯の愛を注いでいきたいと思う。
そして、“いつか誰かをどうにか幸せにしたいと願う日”が海にやってきたとき、夏が笑って頷いて「もうじゅうぶんだ」と思えていたらいい。今もまだどの選択が正しかったのかは分からない。でも、きっと大丈夫。夏は、選んだ道を正解にしていける力がある人だと思うから。
(文・菜本かな)
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