海の祖母・朱音の葛藤
第3話は、弥生の切なさがピックアップされた回だったが、朱音の気持ちも共感できる部分があるなと感じた。42歳まで不妊治療を続けて、ようやく授かった娘・水季を亡くした朱音は、喪失感に浸る間もなく孫の子育てをしなければならなくなってしまった。
できることなら、このまま海の面倒を見ていきたい。しかし、今年70歳になる朱音は、6歳の海の将来を背負っていけるわけではない。そんな葛藤のなか、夏と海を引き合わせる覚悟をしたのだろう。
それなのに、夏には彼女がいて、その彼女は“私、お母さんやれます”みたいな顔をしている。お母さんになるって、お母さんをやるって、すごく大変なことなのに。そもそも、そのポジションには、自分の娘がいたかもしれないのに…。
すべてを奪われた気持ちになってしまうのは、仕方がないと思う。ヒール(悪役)のように映っていた朱音にも、さまざまな葛藤があるのだ。