前途多難な夏と弥生の将来…光はあるのか
「殺したなんてことは…。その頃、まだハタチとかでしょ? そういう選択すること珍しくないと思うし、悪いことじゃない」と自分に言い聞かせようとしても、「年とか関係ないし、自分の意志で同意したし」と夏は遮ってくる。もちろん、夏は弥生の過去を知る前だから、悪気はない。弥生のことを責めているつもりなんかまったくないからこそ、苦しい。
この先、弥生は夏といて幸せになれるのだろうか。弥生のなかで確実に、堕胎をした過去というのは、大きな傷になっている。夏といたら、軽蔑されているような気持ちになってしまうかもしれない。夏と海がはしゃいでいる姿を見て、苦しくなることがあるかもしれない。それに、海の話をすると、必ずといっていいほど、水季の存在を感じることになる。
前途多難な気もするが、夏と一緒に迷いながら生きていく“寂しくない”道を選んだ弥生。水季の遺影に手を合わせたのも、弥生のひとつの覚悟だったのだろう。愛している人が愛する人、愛していた人をまるっと愛し、包み込む。弥生には、それだけの器が存在してしまうのかもしれない。
(文:菜本かな)
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