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“海のはじまり”の秘密が判明…今聞くと泣けてくる初回のセリフとは? 話題沸騰の月9ドラマ、第6話考察&評価レビュー

text by 菜本かな

目黒蓮主演の月9ドラマ『海のはじまり』(フジテレビ系)は、名作『silent』の制作チームが再集結し、“親子の愛”をテーマにした完全オリジナル作品だ。人と人との間に生まれる愛と、そして家族の物語を丁寧に描く本作の第6話の考察レビューをお届けする。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:菜本かな】

メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。

「どこからどこまでが海?」という初回のセリフが持つ深い意味

『海のはじまり』第6話より ©フジテレビ
『海のはじまり』第6話より ©フジテレビ

 子どものころ、死んだらすべてが終わってしまうと思って怖くなったことがある。「肉体は滅びても、生きた証はなくならないんだよ」と言われてもよくわからなくて、「死んじゃったらすべてが終わりじゃん」と泣いたこともあった。それから何十年の時を経て、その言葉の答え合わせができたような気がする。

『海のはじまり』(フジテレビ系)の水季(古川琴音)は、もうこの世にはいない。でも、彼女の魂は娘の海(泉谷星奈)に確実に受け継がれていて。海は水季の真似をして、ゴミをポイっと投げて捨てたり、靴紐を結び直す前にダッシュをしたりする。ともに過ごした思い出も、夏(目黒蓮)の、朱音(大竹しのぶ)の、そして津野(池松壮亮)のなかで、色褪せることなく輝き続けている。輝きすぎて、目を逸らしたくなるくらいに。

 水季がいたら、夏が困っているときは背中をポンっと押すのかなとか、膨れっ面の朱音を見たら「なんで、そんなにつまんなそうなの?」と茶化すのかなとか、海に「好きなところに行きな」と声をかけたりするのかなとか。南雲家には常に水季の気配があって、なんなら生きている人たちよりも存在感があるくらい。

 初めて『海のはじまり』というタイトルを見たとき、てっきり“はじまり”と“おわり”を描いた作品になるものだと思っていた。お母さんはお腹に子どもが宿った瞬間に始まるのなら、お父さんはいつ始まるのか? また、命はどのように始まり、どのように終わるのか。

 でも、初回のファーストシーンで海が、「どこからどこまでが海?」と聞いたように、終わりなんてものは本来存在しないのかもしれない。

 水季が死んでも、彼女はみんなの心のなかで生き続けているように。死は終わりではないし、死んだからといって水季のお母さんが終わるわけじゃない。海が大人になっても、結婚してお母さんになったとしても、水季のお母さんは続いていく。

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