「あの人、水季、水季うるさいですよね」に「はい」と即答した弥生
水季の闘病をずっと支えてきた津野と、何も知らずに楽しく生きてきた夏。それなのに、海の父親は夏で、朱音に頼りにされるのも夏で、我が物顔で「水季」なんて言えるのも夏で…。なんだか、津野が「あの人、水季、水季うるさいですよね」と毒を吐きたくなる気持ちも分かる。
ただ、そう言われたときに、弥生(有村架純)が「はい」と即答したのには驚いた。いつもの弥生なら、「水季さん、素敵な人ですもんね」なんて言って、ニコッと笑うはず。同じく“外野”の津野になら、弥生は本音で話すことができるのだろうか。もしも、弥生が本格的に海のお母さんをやる日が来たら、津野は良き理解者になってくれる気がする。
また、第7話は”羨ましい”という感情にもスポットが当たった回だった。夏の母・ゆき子(西田尚美)に、「(水季のことが)羨ましいです。ひとりで大変だったと思うけど、病気も。なのに、何か知るたびに羨ましいって思うんです。綺麗な思い出がいっぱいでいいなぁって。そう思う自分が嫌になります」と言っていた弥生と、「(津野のことが)羨ましかった。自分が悲しいと思ってることなんて、たいしたことない気がして」と言っていた夏。
悲しくて、苦しい想いをしてきた人たちのことを、“羨ましい”と思うなんて、なんだか不思議だけれど、共感できる部分はある。
夏は、水季の“これまで”を知らなくても、海と“これから”を過ごしていくなかで、彼女のことを知っていくことができる。でも、弥生は、水季の“これまで”を知っていくうちに、どんどん苦しくなってしまう気が…。ゆき子も言っていたけれど、死んじゃった人には敵わない。それでも、弥生は夏を支えて、海のお母さんを始めるのだろうか。
次週放送の第8話は、これまでいちばん感情が読めなかった夏の本音が、実父・基春(田中哲治)の前で明かされる回になりそうだ。
(文:菜本かな)
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