ホーム » 投稿 » ドラマ » 生方脚本ドラマがSNSでバズり続けるワケ。今後の展開で最も気になるのは? ドラマ『海のはじまり』考察レビュー » Page 4

生方作品を観ると自分の価値観を話したくなる

『海のはじまり』第7話より ©フジテレビ
『海のはじまり』第7話より ©フジテレビ

 弥生に感情移入をしていた筆者は、『海のはじまり』序盤、津野(池松壮亮)のことが好きではなかった。海に寄り添って頑張ろうとしているときに、「疎外感、すごいですよね。自分は外野なんだって自覚しますよね」と意地悪なことを言ってくるものだから、「いちいち、そんなこと言わんでいいわ!」とムカっとしてしまったり。嫌味な人だなぁ…としか思っていなかった。

 しかし、同じシーンを観ていた友人は、「津野くんの気持ち、めちゃくちゃ分かるわ。急に弥生が“お母さんです”みたいな顔をしているのを見たらイラつくと思う」と言っていて、これぞ生方マジックだな…と。

『silent』や『いちばんすきな花』(フジテレビ系、2023)が、SNSでたくさんつぶやかれていたのは、自分の価値観を話したくなるドラマだったからだと思う。『海のはじまり』の投稿を見ていても、人によってまったく意見がちがうから面白い。

 さて、終盤戦に突入した『海のはじまり』。本作の登場人物たちも、『silent』や『いちばんすきな花』のように、自分で選んだ道が幸せに続いているはずだと信じて、突き進んでいってほしい。そして、筆者は今から“ロス”になることを恐れている。
 
(文:菜本かな)

【関連記事】
【写真】目黒蓮の繊細な表情の変化を堪能…名シーンが蘇る劇中写真はこちら。ドラマ『海のはじまり』劇中カット一覧
目黒蓮”夏”の怒りに震える…どんどん苦しくなる展開、唯一の癒しとは? ドラマ『海のはじまり』第8話考察レビュー
池松壮亮の本気の芝居に飲みこまれる…『silent』”奈々”との共通点とは? 『海のはじまり』第7話考察レビュー

1 2 3 4
error: Content is protected !!