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なぜ『アンメット』は地上波ドラマの歴史を変えることができたのか? 神回と呼ぶにふさわしい最終話、徹底考察&解説レビュー

text by 苫とり子

杉咲花主演の月10ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ・フジテレビ系)。本作は、“記憶障害の脳外科医”が主人公の、新たな医療ヒューマンドラマ。ミヤビと2人きりの時間を過ごす三瓶。幸せな時間も束の間、ある朝、彼女は動かなくなってしまう…。今回は、最終回のレビューをお届け。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

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【著者プロフィール:苫とり子】

 1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。

最終回で流れた静かで豊かな時間

『アンメット』第11話より ©カンテレ
『アンメット』第11話より ©カンテレ

 今期、話題を集めたであろうドラマがついに完結を迎えた。だが、未だ視聴者から称賛の声は鳴り止まず、誰もが心にぽっかりと空いた穴を埋められずにいる。『アンメット』(カンテレ・フジテレビ系)は地上波ドラマの歴史に、観る者の胸に、消えぬ爪痕を残した。

 私は今、この感動をどう表すべきか、書きあぐねている。まずは最終回で流れた静かで豊かな時間を振り返っていきたい。

 突如、激しい頭痛に襲われて倒れたミヤビ(杉咲花)。検査の結果、再発が認められ、脳梗塞が完成するのも時間の問題という切迫した状態となる。その時に備え、三瓶(若葉竜也)は吻合の練習に励むが、手術をしないというミヤビの決意は固かった。もし失敗したら、三瓶が一生悔やむことになるからだ。

 そんな思いを汲み取り、津幡(吉瀬美智子)は「彼女が望んでいることをしてあげて」と告げる。三瓶は休暇を取り、ミヤビの自宅で一緒に過ごすことを選んだ。

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