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三瓶は患者にとって悪なのか?

『アンメット』第4話より ©カンテレ
アンメット第4話より ©カンテレ

大迫と三瓶の、医者としての方針の違いが浮き彫りとなった『アンメット』第4話。大迫は、三瓶を「軽々しく患者に希望を見せる危険な医者」と強く批判する。だが、果たして三瓶は本当に患者にとって悪影響を及ぼす医者なのだろうか。

たしかに無許可で手術に乱入するのはやりすぎだ。三瓶は少年の脳腫瘍全摘出を見事に成功させたが、それは結果論であって、もしも失敗したら患者を死なせてしまっていたかもしれない。腫瘍の一部を残しても生存率は高く、あえてリスクを取る必要はないという大迫の判断も理解できる。

それでもなお、三瓶が「全摘を目指すべき」としたのは、少年が腫瘍を残している影響で発達が遅れ、勉強にもついていけずに学校から特別支援学級に移ることを勧められていると知ったからだ。何事も命あってこそ。それに異論はないが、患者にも一人ひとり生活がある。

ミヤビの担当した患者の加瀬も、脳動脈瘤が破裂するリスクは年間1%程度とはいえ、いつ破裂するかわからない“爆弾”を抱え、怯えながら日々を送っていた。それならば、リスクを取ってでも不安の種を取り除きたいという患者がいてもおかしくはない。

かつ、三瓶はアメリカの大学病院で得た知識と経験値から全摘は可能との判断を下している。ミヤビのこともそう。ミヤビが元々持っている情報を受け出す前頭葉は損傷はしていないこと。鏡映描写法によるテストで記憶がなくても技術は上達することを証明した上で、脳外科医として復帰が可能と判断した。

三瓶がそうまでしたのは、ミヤビ自身が本当は復帰を望んでいることを見抜いたから。元婚約者であろうと、自分の担当外の患者であろうと、三瓶は目の前にいる人の願いと向き合い、最善を尽くす。そんな三瓶が、危険な医者であるはずがない。

ミヤビもまた、家族と一緒に楽しく暮らしていくため、未破裂脳動脈瘤の手術を受けると決めた加瀬に不安や恐怖に寄り添い、綾野から助言を受けた上で開頭手術に比べて患者に負担の少ないカテーテル手術を勧める。

ミヤビと三瓶の過去は未だ明らかになっていないが、医者としてのあり方が似ているからこそ、二人は惹かれあったのかもしれない。

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