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ミヤビと杉咲花の共通点は“弛まない努力”

『アンメット』第7話より ©カンテレ
アンメット第7話より ©カンテレ

手術シーンは第5話と同様に、最低限の台詞で紡がれた。心電図モニターの音だけが鳴る静かなオペ室で、手術用の顕微鏡を覗き込むミヤビの額につたう汗が緊張感を高める。

驚異の集中力で神経を傷つけずに腫瘍を除去し、高美の嗅覚を残すことに成功したミヤビ。その鮮やかな執刀を目の当たりにした成増(野呂佳代)は星前(千葉雄大)に「ミヤビってもしかして三瓶先生以上に才能あるんじゃないの?」と耳打ちする。大迫(井浦新)の回想シーンで、以前からミヤビは脳外科医としての腕を見込まれていたことも分かった。

ミヤビには他の医療ドラマで描かれる女医のような、そこにいるだけで場を圧倒するようなカリスマ性や威厳はあまりない。一見、普通の女性だ。けれど、絶え間ない努力に裏付けされたその実力で患者を助けてきた。だからこそ、人が自然とついてくる。

加えて、彼女は記憶障害というハンデを抱えている。抗てんかん薬を増やしたことで、断片的に前日のことを覚えていられるようになったが、その影響で脳の中で記憶がすり替わる“記憶錯誤”という新たな壁にぶつかるミヤビ。それでも、「ちょっとでも覚えてたら嬉しい」と前向きに物事を捉える彼女の強さを見て、津幡(吉瀬美智子)は「あなたといると素直になりたくなる」と言った。綾野(岡山天音)への思いゆえにミヤビに対して複雑な感情を抱いている麻衣(生田絵梨花)でさえ、彼女に心を開いている。

そんなミヤビの不思議な魅力は、演じる杉咲花にも通ずるものだ。良い意味で派手さはなく素朴だが、可憐で、難役も乗りこなす感受性の高い演技で人を魅了する杉咲。その裏には凄まじい努力があり、ストイックな役作りのエピソードも方々から漏れ聞こえてくる。本作でも杉咲は手術シーンに向けて縫合練習に励み、医療関係者も驚くほどの上達ぶりを見せたそう。そういうところが人を惹きつけるのだ。

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