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海外でも大絶賛…その理由は? 稀有な魅力を改めて深掘り。ドラマ『VIVANT』徹底考察。続編の展開&福澤克雄演出も解説

text by 寺島武志

2023年夏期ドラマにおいて最も世間の注目を集め、早くも”2023年No.1ドラマ”との呼び声高いドラマ『VIVANT』。そんな本作の立役者と言えるのが原作・演出を担当した福澤克雄氏だ。今回は、『VIVANT』誕生秘話や、劇中の福澤克雄によるこだわりの演出などを中心に、改めて本作を考察していく。(文・寺島武志)

福澤勝雄の慧眼による
“古くて新しい”設定

堺雅人キムラ緑子VIVANT第5話よりCTBS

9月17日の最終回の世帯視聴率が19.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、早くも“2023年No.1ドラマ”という評価を得て、さらに、続編や映画化を期待する声も大きいTBS系ドラマ『VIVANT』。

このドラマによって、「別班」という国家による秘密組織の存在も明かされ、その存在自体あるのかないのか、有ったとして、どのような役割を果たしているのかも含め、放送後も話題が尽きることがない。

同ドラマに原作・演出として関わり、大ヒットに導いた福澤克雄によると、「偶然、カーラジオで“別班”の話を聞き、そこから想像を膨らませた」と語っている。

すっかり一般的に用いられるまでに広まった言葉となった「別班」。その正式名称は「陸上幕僚監部運用支援・情報部別班」といい、首相や防衛庁長官(現・防衛相)の管轄外であり、陸上自衛隊の独断でソ連(現・ロシア)、中国、韓国、東ヨーロッパの共産主義国家などに拠点を設け、身分を偽装した自衛官に情報活動をさせる秘密情報部隊だという。その背景には長く続いた東西冷戦がある。

つまりは、その歴史は古いものの、存在自体が知られてこなかった“古くて新しい”設定なのだ。ここに目を付けた福澤氏の慧眼には感服させられる。

ちなみに、日本政府は2013年12月の答弁書でこの組織の存在を否定している。

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