スケールを落とした安易な続編は望ましくない…。
現実問題として、テレビドラマが不可能なら、劇場版でという話となるだろう。製作委員会方式を採用すれば、スポンサーを集めることは、そう難しいことではないようにも思える。
しかし本作は、放送ごとに謎を残しながら、1週間の“考察タイム”を経て、次回放送への楽しみとするというスタイルのドラマだった。これを“1話完結スタイル”の脚本とすると、本作が持つ魅力が半減する可能性も否定できない。
福澤氏は、ファンミーティングの場で、本音かリップサービスかは不明だが「3部作くらいまで考えている」と語っている。一方で「次回作は(ドラマを見てくれている)みなさん次第」とも話している。本人はヤル気十分なのだ。
では、どこに落としどころとするか。海外での高評価を得たことで、製作費が国内のスポンサーでは賄いきれないならば、海外資本を取り入れ、全世界配信を前提とした作品とするならば、ドラマ版での続編制作も現実味を帯びてくる。
莫大な製作費を捻出できないまま、スケールダウンした続編を世に出し、視聴者をガッカリさせるパターンは絶対に避けたいところ。逆に、仮に製作費を倍の20億円ほど調達できれば、映画顔負けのスケールアップした続編が期待できよう。時間も金もかかる作業だが、福澤氏の情熱を信じ、その時を待ちたい。
(文・寺島武志)
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