『眠れる森の美女』から見る新たな視点
『マレフィセント』(2014)
一一一童話『眠れる森の美女』のスピンオフであり、アンジェリーナ・ジョリー主演の作品ですね。
「とにかく映像が美しかったことが、第1印象です。そもそも、本編である「眠れる森の美女」のオーロラ姫というキャラクターが大好きなんですが、その悪役側であるマレフィセントが描かれる本作を観て、『彼女はこんなに辛い思いをしていたのか…』と、驚きました。
オーロラ姫(エル・ファニング)とはまた違った魅力に感情移入してしまい、最後には、もう『頑張れ!』と応援していましたね」
ーーーヴィラン視点の物語は、新たな発見がありますよね。
「そうなんです。『これだけ険しい人生を送ってきたら、そうなっちゃうよね、悪人になっちゃうよね…』といった感情にまざまざとさせられました。
アンジェリーナ・ジョリーさん自身も、どこかのインタビュー『彼女には悪に染まるほどの苦悩がある』的なことを仰っていたのですが、本当にベストマッチな役だと思いました」
ーーーヴィランにはその人ならではの人生があったと。
「救われないラストを迎えるマレフィセントですが、『救われたんじゃないか』とも、考察できるところに感動しました。
マレフィセントに起こったある出来事から、オーロラを自分の子供のように守る母性愛も描かれていて、そのギャップがまた素敵です。マレフィセントは、基本的にツンデレなんですよね(笑)。別に助けなくてもいい人を、結局助けてあげたりなど、愛らしい部分があって、ヴィランになりきれてないところが魅力的で(笑)」
一一一印象に残っているシーンはありますか?
「オーロラが1人で遊んでいて、崖から落ちそうになるんですよ。それをマレフィセントは魔法で助けてあげるんですね。その時のなんとも言えない『これは、私の本意ではない』といった表情が、すごく可愛いし、親のような情が沸いたのかなと、ほっこりしました」