主人公が成長していく姿にグッとくる

『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(2020)

中井りか 写真:Wakaco
中井りか 写真:Wakaco

ーーー人気小説であり、アニメシリーズの劇場版が挙げられました。


「この作品は、感情を揺さぶられすぎて、映画館で湖ができるくらい、椅子がビチャビチャになるくらい、泣きました(笑)。そもそも、アニメシリーズの1話1話がすごく感動するエピソードでして。

戦争で両腕を失った義手の少女(ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン)が、愛を知るために、お手紙を代筆する『ドール』という仕事をするのですが、その主軸だけで、よくこんなにもバリエーションのあるストーリーを思いつくなと、感嘆してしまって…。

いろんな人たちの気持ちを代筆という仕事を通して伝えてきたのですが、本当に好きな大佐(ディートフリート・ブーゲンビリア)に対する自分の気持ちはなかなか伝わらなくて。そんなものどかしさの中で、ヴァイオレットが愛をしっかりと学んで、成長してゆく。その姿にすごくグッときましたね」


ーーー映像美も、素晴らしいですよね。


「本当に! 映画館で観ると、映像の綺麗さに感情を掻き立てられました。 ヴァイオレットと大佐が再開した後、花火が打ち上って終わるシーンも、素敵でしたね」


ーーー「義手で代筆をする」というテーマの着眼点もすごいなと。


「そうなんですよ。本来、手紙に込めるべき感情などを知らない、ロボットの状態から始まっていて。ゼロから人の気持ちを学んでいくといったロボットみたいな子だったのに、心が豊かになっていくヴァイオレットの世界が細かく描かれていて。さらにそんなヴァイオレットを支える周りの人たちもまた魅力的で」

ーーー絶妙なヒューマンドラマですね。

「観ている側が置いてきぼりになってしまうファンタジーものは、あまり好きではないんですが、むしろ、架空のキャラに感情移入ができるのが、素晴らしいと思います。この作品は、自分の中の負の感情を浄化できた感覚になれるんです」


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