「自分が生み出す笑いのベースになっている」
ドM癖に目覚めるきっかけに
『アダムス・ファミリー』(1991)
―――続いては、お化け一家が繰り広げるホラーコメディーですね。
「小学生のころは、アニメで『ゲゲゲの鬼太郎』を観ていて、妖怪とかモンスターとかそっち方面に興味が沸いていたんですね。で、たまたまテレビでやっていたこの映画を観て、めっちゃグロいなと。簡単に人の首を刎ねたりとか、ショッキングなシーン連発で。
でも、キャラクターたちがとてもあっけらかんとしていて、ビジュアル的にもすごくポップ。見ちゃいけないものを見てしまったと、小学生の心をくすぐったのと、『ああ、これを楽しんでいいんだ~』という、自分の感覚は間違っていなかったという快感が芽生えてきまして。ビデオテープが擦り切れるくらい何度も見返しましたね。友人は減っていきましたが(笑)」
―――特に印象的なシーンはありますか?
「ファミリーの長女であるウェンズデー、弟のパグズリーたちが、ギロチンに頭を入れて、キャッキャと遊んでいるシーンですかね。それこそ、グロいのに笑えるという。この映画の“キモ面白さ”は、自分が生み出す笑いのベースになっていると思います。
僕、たまにピンネタのライブをやるのですが、『人にょう』というネタで、「人ならざる人」を演じておりまして。そこにもこの作品の影響は確実に出ていますね」
―――趣味趣向と言えば、以前『映画チャンネル』でもインタビューさせていただいた、ギャルタレント・みりちゃむさんとYouTube番組『佐久間宣行のNOBROCK TV』で共演されていましたね。ドSであるみりちゃむさんに対し、ドMぶりをいかんなく発揮していました(笑)。
「アハハ! ええ。それこそ、先ほど挙げたこの映画における姉弟同士の遊びを見て、最初は、自分はドSだと思っていたのですが、極端な痛めつけのシーンを見ているうちに、ドM心にも目覚めたんです。その癖が功を奏し、あの番組では、みりちゃむさんにハマりましたね。彼女には、もっと罵倒されたいです(笑)」
―――なるほど。ドM癖のきっかけは、『アダムス・ファミリー』であったとは、興味深いです(笑)。