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「何十年単位とか、数百年単位で生きていてもおかしくない」
本当に恐竜は絶滅したのかー。

ⓒ「恐竜超伝説2 劇場版ダーウィンが来た!」製作・配給 ユナイテッド・シネマ
ⓒ恐竜超伝説2 劇場版ダーウィンが来た製作配給 ユナイテッドシネマ

―――南極の植物が残っていたから、恐竜は生き残れたかもしれない。と作中でありましたが、南極でK/Pg境界(6600万年前に隕石が落ちてできた地層の境界)は見つかっているのでしょうか?

「意外とK/Pg境界って、世界でもあまり見つかっていなくて、南極では見つかっていないんです。K/Pg境界は、明確にどこにあるのかは分からない状態なんです」

―――では今は何か新しい手法がないと、手探りの状態に近いということなんですね。隕石衝突で舞った塵が地球全体を覆って、寒冷期の環境に耐えられずに絶滅した。と世間では考えられていますが、隕石衝突による気候変動で生物が絶滅するなら、全地球的にどれくらいのタイムラグがあるのでしょうか。

「規模にもよりますけど、急激な気候の変化が起こるので、タイムラグなく、影響は地球規模だったと思います。ただ、その変化の速度で生命への影響も変わったと思います。気候の変化が、短期間で急激であればあるほど、残された生命の対応が追いつけないですね。

逆に、ゆっくりとした変化であれば、時間をかけながら生命の絶滅の影響を受けると思います」

―――作中では、南極に逃れられた恐竜がいたかもしれないという仮説がありましたが、もしも南極で恐竜が生きていたとして、絶滅したと世間で思われている時代からどれくらい生き延びることができたと考えますか?

「そこは証拠がないので、何日間か何年、何百年かは分からないですが、何年というより、卵が孵って、次の子孫が残ったという世代交代があってもよかったと考えています。

作中でもあったように、今僕がアラスカで調査をしていると、かなり厳しい環境下の恐竜の中でも、生き延びていた恐竜が事実として存在していて、特に極圏みたいに厳しい環境に慣れていないといけなく、厳しい環境にいた恐竜はそれなりに対応できたんじゃないかと思います。

そうなってくると、何世代生き残れたってなると思うんですよね。そしたら何十年単位とか、数百年単位で生きていてもおかしくないと思います」

―――そこでは、環境による体の変化もあったんでしょうか。

「結局、環境に適応できなかったから絶滅したと考えます。極圏ではないところに住んでいた恐竜は環境変化への対応は厳しいですが、元々厳しいところにいた恐竜は、ある程度耐えることができたということです。でも結局、その環境変化がじわじわと効いてきて、最終的には絶滅に至ったと考えます」

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