大切なのは「相手の立場に立つこと」
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――浅田さんがはじめてインティマシー・コーディネーターとして携わった作品を教えてください。
「2021年に公開された水原希子さんとさとうほなみさんW主演のNetflixドラマ『彼女』ですね。当時私は、通訳として映画やドラマの現場に携わっていたのですが、まだ、日本にインティマシー・コーディネーターがいないということで、お声がけをいただきました」
――依頼が来た時は、どのような気持ちでしたか。
「日本で初めてということもあり、現場の理解がなかなか得られないことは容易に想像ができたので、最初はかなり悩みました。ただ、自分はもともと映画が好きでしたし、映画業界が抱えるさまざまな問題についても耳にしていたので、日本の映像業界が少しでも良くなればいいなという思いから引き受けました」
――周囲の無理解は新しい職業にはありがちな問題だと思いますが、仕事をはじめた当初は、現場の反応はいかがでしたか。
「やはり、インティマシー・コーディネーターという職業がまったく知られておらず、作品を検閲されるのではないか、思い通りに作品が作れないのではないか、といった先入観を持っている監督もいらっしゃいました。その点、ここ1、2年でようやく理解が得られるようになってきたと思います」
――インティマシー・コーディネーターをする上で、浅田さんが大切にしていることや、気をつけていることがあれば教えてください。
「相手の立場に立って考えるということは常に心がけていますね。現場で監督からつれない態度をとられても、とりあえず監督の立場に立ってみて、理解を得られるにはどうすればいいか考えます」