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米倉涼子の名演の裏に隠された葛藤

米倉涼子【Getty Images】

 まず贅沢として挙げたいのは、米倉涼子の圧倒的な迫力美を大画面で拝めることである。これはテレビ画面(自宅にホームシアターでもあったら話しは別ですが)と全く違った。すらっとした無駄のない四肢に「私、服には負けないので」とでも言いそうな、インパクトのある衣装。最近の映像では強い女性像を現すアイテムとなった、ハイヒールを履いて、ヒール音を鳴らす。幾度も登場するシーンだが、つい見惚れる。一寸の乱れもない美しさとはこういうものだと、大門、いや米倉が証明している。

 米倉といえば最近、自身が『脳脊髄液減少症(のうせきずいえきげんしょうしょう) 』という難病に襲われたことを、公表している。寛解状態が続き、完治ということはないそう。彼女は病を抱えて臨んだ映画撮影だ。この理由を辿ると、存在に迫力が増すことがわかる。決死の覚悟だったのだ。

 できることなら米倉涼子は 大門未知子に、自分の身を委ねたかったんだろうと想像をするとグッとくる。

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