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「個人的に拓也みたいな人は、好きではないかも(笑)」
小西が語る主人公への思い

小西桜子
写真:wakaco

―――小西さんは率直に拓也のような男性をどう思いますか? 大変な目に遭ってしまいますが、女性から見ると「脚本家に大抜擢されて、ちょっと調子に乗りすぎちゃった? 隙がありすぎ?」と思えたりもしたのですが。

「難しいですね(笑)。人によって考え方は違うけど、私視点で拓也を見た場合、もう少し想像力があればとか、考え方が自分だけに向き過ぎて周りがあまり見えていないのではないかと思いました。でもそんな彼の弱点もこの映画では拓也の人間らしさとして描かれていますし、等身大の魅力だと思うんです。と言いつつ、個人的に拓也みたいな人は…あんまり好きではないかも(笑)」

―――拓也は詐欺にあったようなものなので、女性でも同じような目に遭うことはあると思うんです。もし小西さんの身に同じようなことが起こったら、どのように対処しますか?

「騙されてしまったのは人間的な未熟さもあると思うのですが、拓也はすごく被害者意識が強いと思いました。私は『なぜ騙されたのか』と考えたいと思います。そのような目にあったのは、自分自身が過去、誰かを傷つけたかもしれない、加害者であったかもしれないという意識も必要かなと。そういう意識を常に抱いていれば、拓也のような行動は起こさないのではないかと思います」

―――今回、前原さんを始め、奥野瑛太さん、内田慈さんなどベテラン俳優も出演しています。共演した感想を聞かせてください。

「前原さんは、前に出て主張するところと、引いて聞くところと、その塩梅が絶妙で的確な俳優さんです。お芝居への情熱だけでなく、俯瞰で見る冷静さもあり、そのバランスが良く、今回共演して、かっこいい俳優さんだなと思いました。たくさん助けていただきました。

奥野さんは、映画では怖い存在ですが、実はとても優しい方です。自分の出演シーンじゃないところにもしっかり脚本に目を通していて、一緒に考えてくださいました。内田さんも同じで自分の出番のないシーンでも脚本を読み込んでいて、相談するといろんなお話をしてくださって。みなさん素敵で共演者に恵まれました」

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