キャスト陣が魅せる実写ならではの“リアリティ”
ドラマでも原作ファンを唸らすキャスティングが評判となっていたが、映画でもその真価をまざまざと感じさせられた。
齋藤飛鳥は、アイのきらめきと儚さ、つかみどころのないミステリアスなキャラクターを体現。アクアを演じる櫻井海音、アクアの妹・ルビーを演じる齊藤なぎさは、ともに前世の記憶を持ったまま成長した高校生という難役に挑み続ける。使命ともいえるものに突き動かされていくアクアとルビーの計り知れない激情に、スクリーンでより圧倒させられる。
ルビーが結成した3人組アイドル「B小町」のメンバーで元天才子役の女優・有馬かな(原菜乃華)は、その強烈なキャラクターが魅力。人気インフルエンサー・ルビー、かなと「B小町」を結成する人気インフルエンサーのMEMちょ(あの)や、有馬かなとは犬猿の仲でもある劇団「ララライ」所属の女優・黒川あかね(茅島みずき)の立ち回りも、個性豊かで目が離せない。
ドラマでも意味深な言葉を発していた二宮和也演じる「劇団ララライ」OBの謎に包まれた男・カミキヒカル(少年時代は黒川想矢が演じている)は、アイにも似たつかみどころのなさがあり、「僕にとって、演じる事は復讐だ」というアクアに対し、「それは僕への復讐?」と言うカミキの微笑みにも表れてたように、終始不気味な存在感を漂わせていた。
そして予告や特別映像でも、アイの担当医・雨宮吾郎(成田凌)、吾郎が気に掛ける入院患者でアイの大ファンだった天童寺さりな(稲垣来泉)のやりとりが描かれているが、ドラマでも登場した2人が映画でより濃く描かれ、アフターストーリーに深みをもたらしている。