ノスタルジックな映像にほだされる
改めて本作を見渡すと映像がノスタルジックで美しい。鎌倉=古都というロケ地の雰囲気もよく、登場人物が立ち寄る居酒屋でさえも趣がある。
そしてその街に住む設定の美術大学にまつわる面々の部屋のインテリアも可愛い。あえて愚直な表現をしてしまうが“おしゃれでセンスがいい”ことを表現したいのだろうと思う。
この風景の背後に流れる劇伴もまたゆったり。第5話で聞き覚えのある曲が流れてきたので、調べると1994年に発売されたNOKKOの『人魚』にカバー曲だった。物語は恋愛模様と人間関係が煩雑化しているけれど、それらを囲む演出は心地がいい。