「天部」キャラクターの圧倒的な再現力
特に圧巻なのは、仏教の天部(他宗教の神が仏教に取り入れられて守護神となったもの)の面々だ。私は原作のファンなので、中村版・天部の暑苦しさや押しの強さを生身の人間がどう表現するのだろう? とひそかに楽しみにしていたのだが、いやはや想像以上、説得された側が1ミリも納得していないのに思わず頷いてしまいそうな天部が、見事地上のスクリーンに顕現していた。
また、煩悩の化身である魔神“マーラ”(窪田正孝)も再現度が高い。人を惑わすはずが不器用で独特のかわいらしさがあり、なんのかんので楽しそう。そんな、魅力たっぷりのキャラクター造形だった。
さて、前半は比較的テンポのよい笑いが続くのだが、後半は長尺のおふざけが多くなっていく。メンバーがなかなか揃わない戦隊ヒーローネタ、イエスとブッダがイエスの父(つまり神)と天界で会話する場面など、ゆるい展開にかえって脱落しそうになる人もいるかもしれない(私もちょっと危なかった)。
ただ、ここまで振り切ったゆるさを全国ロードショーで成立させるのは、至難の業だ。「この内容を、予算をつけて、このメンバーでできると思うか?」と問われたら、それを実現せしめたプロの仕事に脱帽してしまう。
実際、本作では良い意味での役者の“無駄遣い”が多数みられた。山田孝之が「走馬灯に現れる人」、ムロツヨシが「カンペを読む人」って何…!? まったく、神も仏もあったものじゃない(ありがたや)。この配役の妙には、終始驚かされた。