真のドロ沼ドラマとは『阿修羅のごとく』にあり
「女はね、(不倫のことを)言ったら負け」
竹沢家の母・ふじ(松坂慶子)はそう言った。このひと言に女の執念が詰まっているように感じたけれど、ふじは不倫のことで悩みながら、亡くなってしまう。
他人の不倫をせせら笑うこともあるし、ドラマで見てニヤニヤしていることもある。でも現実的に身の回りで起きたらどうするのか。
ふじの死を見て、眉を潜めてしまった。そして、男の火遊びがまかり通ってしまう様子から、日本が豊かだったことを感じ取られる。浮気相手との交際費をなんのためらないもなく稼ぐことができる会社員が、今の日本にどれだけ生息しているだろうか。
今、日本の深夜ドラマやアプリ動画配信ドラマのショートストーリーでは、人間関係がドロ沼化した作品が流行っているらしい。けれど真のドロ沼ドラマとは『阿修羅のごとく』にあり、と思った。
(文・小林久乃)
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