映画『あゝ、荒野』から7年以来となる菅田将暉とのタッグ

サンセット・サンライズ
©楡周平/講談社 ©2024「サンセット・サンライズ」製作委員会

―――岸監督は、菅田さんとタッグを組むのは『あゝ、荒野』(2017)以来、7年ぶりですね。菅田さんのお芝居に変化は感じられましたか?

「相変わらずストイックな表現者でしたね。芝居に向き合う姿勢は以前よりも厳しくなったと感じました。いろんな作品でまったくタイプの違う役にチャレンジをし続けている俳優なので、その経験もあって、彼の引き出しもかなり増えてきているんだと思います。

本作で、菅田さんは晋作をどのように演じるんだろうかと思っていたんですが、クランクインの日に、最初のセリフの声のトーンですでに晋作として現場に存在しているのがわかりました。彼がこれまで研磨してきた結果だとは思いますが、すごいなあと思いましたね」

―――タケ(高森武)役の三宅健さんも新鮮でした。三宅さんには、永遠のアイドルというイメージがあるのですが、この映画では、年を重ねた三陸の男になりきっていました。三宅さんのキャスティングについて教えてください。

「三宅さんも佐藤プロデューサーから名前が挙がったんです。僕は以前『前科者』(2022)という作品で、三宅さんがいたV6(2021年に解散)の森田剛さんとも仕事をしているんですけど、10代から歌やダンスを鍛錬して、アイドルとして活動してきた人が、40代になって、演じるということでも、すごい表現力を発揮する姿を目の当たりにしているんですよね。だから、三宅さんの芝居も楽しみにしていました。

結果として、予想を超えるほどのタケにしてもらったと思っています。とにかく勉強熱心な人で、方言のセリフ使いも現場の誰よりも見事でした。

撮影を見学に来た宮藤官九郎さんが、タケのシーンを見てうれしそうに笑っていたのが印象に残っています」

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