「今まで見た自分じゃないと思った」映画『君の忘れ方』主演・坂東龍汰が語る役との“運命的な出会い”。単独インタビュー
text by 山田剛志
映画『君の忘れ方』が1月17日(金)より全国公開される。恋人を亡くした構成作家の青年が、人に寄り添う「グリーフケア」と出会い、喪失から再生していく姿を描いた本作で初の映画単独主演を務めた坂東龍汰さんのインタビューをお届け。作品に込めた思いをたっぷりと伺った。(取材・文:山田剛志)
「運命が役を引き寄せた」
初の映画単独主演作にかける思い
―――本作は身近な人を亡くした人間がいかに喪失感から立ち直るか、その過程を丁寧に描いています。最初に本作の脚本を読まれた時、「他人事じゃない」と思われたそうですね。
「僕は3歳の頃、身内を亡くしているんです。この脚本を読んだ時に「これは絶対にやるべきだ」と、まず思ったし、運命的な出会いだと思いました。作道監督はそれを知らずに、僕にオファーしてくださったわけですが、その後、お会いしてその話をしたところ、監督も似たような経験をしたことがあるということで、縁を感じました」
―――今回、撮影の準備期間はどのようにして過ごされましたか?
「役を理解するためにも、父に電話して当時の話を聞いたりしました。あと、監督と色々話しましたね。インする前に一緒に食事に行って、そこで改めて監督の強い思いが脚本に込められている、ということを実感しました。
また、今回は、衣装合わせがすごく有意義な時間でした。僕が演じた昴がどういう人なのかっていうことを僕一人だけじゃなくて、監督や衣装部はもちろん、演出部、撮影部も一緒になって考える。一日じゃ終わらなくて、二日間やったんですけど、みんなで話し合うことによって昴という役がどんどん立体的になっていったんです。僕にとって新しい経験でした」