若葉&深川、『愛がなんだ』以来の共演
―――おふたりの共演は、2018年に公開された映画『愛がなんだ』以来だそうですが、本作で久しぶりに共演してみていかがでしたか?
深川「若葉くんが出演している映画を観ても、こうやって一緒にお仕事をしていても、いつも誠実な人だなと思います。一見、怖そうな印象があるかもしれないけれど(笑)、話すと穏やかだし、誰に対してもフラットで、とても気遣いのある方です。撮影現場のスタッフや共演者はもちろん、作品そのものに対して常に誠実に向き合っている印象は初共演のときから変わらないです」
若葉「深川さんは、撮影現場での佇まいがすべてを表しています。現場での佇まいに、その人の作品との向き合い方が表れると思うのですが、深川さんは作品に向き合う姿がとても真摯で、この映画をいいものにしたいという意志をすごく感じるんです。
出演本数が増えていくとルーティーンのようになってしまうこともあり、それは仕方がない部分でもあるのですが、深川さんはいつもちゃんと緊張して現場に立っている。そういう俳優は意外と少ないと思います」
―――若葉さん、城定監督が深川麻衣さんをどのように撮影するのか興味があるとおっしゃっていましたが、いかがでしたか?
若葉「おもしろかったですね。それほど細かく演出する監督ではないので、深川さんが持っている素養というか、パブリックイメージにはない“毒”のような一面もしっかりキャッチして露わにして行こうという意志を感じました」
―――深川さんは城定監督との仕事はいかがでしたか?
深川「城定監督の演出はとても的確で、俳優のお芝居もよく見てくださっていると感じます。すごいなと思うのは、決めたカットしか撮影しないんです。保険のために別カットも撮っておくという選択もあると思うのですが、ほぼワンシーンワンカットでした。撮影していたときから、城定さんの頭の中には繋がった絵が見えていたんだと思います。
若葉「とにかくものすごいスピード感で撮影していた印象があります。予定よりも2~3時間早く終わるなんて普通でした。あまりに早いので不安に感じる俳優もいるかもしれませんが、僕はそのスピードに城定監督の自信を感じました」
深川「判断が早いんですよね。だから、どういうテンポ感の映画になるのか全然想像できなかったんですが、完成した映画を観たら、緊張感や不穏さはあるけれど、それをしっかりエンタメとして楽しめる映画になっていました。でも城定さん自身はとてもシャイで、撮影中、全然目を合わせてくれなかったんです(笑)」
――可愛いですね!
深川「人見知りだとおっしゃっていました。城定監督作品によく出演されている松浦祐也さんが現場に入ると笑顔になっていましたね(笑)」