佐藤瑠雅が驚いた馬場ふみかの役作り
―――撮影のときはどうですか? 馬場さんはたくさんお話ししたとおっしゃっていましたが、共演の感想は?
佐藤「原作を読んでから現場に臨んだのですが、馬場さんは僕が想像していたアリスとは違うアリスを演じられたので、まずそこにビックリしました。自分のアリスを作られてきたんだ、すごいなと。僕は演技の経験が浅いので、馬場さんとお芝居をしながら学んで行こうと決めて、撮影の間、馬場さんの現場での佇まい、撮影に臨む姿勢など、演じながら観察していました」
―――最初に想像していたのはどのようなアリスだったのでしょう?
佐藤「ふんわりした女の子っぽいお姉さんを予想していました。親しみやすい感じですね。でも馬場さんが演じたアリスは、さまざまな経験を経て独特な雰囲気を身につけた女性で、ちょっと不思議な感じもあって…。その雰囲気がすごく刺激的でした。
最初にアリスさんが古民家に向かって歩き出すシーンなんて、何か抱えているものがあるのかなと思わせる雰囲気があり、短いシーンの中にも余韻が感じられました」
―――馬場さんは、アリスの雰囲気が原作から受ける印象と違うことについて、監督に相談されたのでしょうか?
馬場「監督とは、アリスがなぜ囲炉裏端に帰って来たのかということを大切にしましょうと話し合いました。彼女は田舎暮らしが楽しいから帰って来たのではない。何かしらの事情を抱えて帰って来たんです。そんなアリスの人生を大事にしようと思いながら演じたから、原作のイメージとは少し違うアリスになったのかもしれません。
アリスがなぜ帰って来たのかなどについては、後半の見どころなので楽しみにしていただきたいです」
―――アリスは晴海にとって、年上のお姉さんですが、ふたりの間に距離があったところから仲良くなっていく中、馬場さんは“年上のお姉さん感”を演じる上で意識しましたか?
馬場「逆にそういう雰囲気をあまり出さないように意識しました。晴海くんは高校生なので、ちょっとでもセクシーな雰囲気が出てしまうのは、よくないと思ったんです。
でも本当にアリス役は難しくてすごく考えました。年上のお姉さん的存在であることは確かだけれど、お姉さん感を出さないように普通に接するのが正解かなと。変に距離を縮めようとせず、他の人たちと同じスタンスで接していこうと思いましたね」
―――佐藤さんは、馬場さんが演じるアリスさんと対峙して、どんなふうに感じましたか? 役の晴海としてはドキドキしたりしていたのでしょうか?
佐藤「距離が近くなるシーンはすごく緊張しました。僕は比較的ポーカーフェイスで緊張していても顔に出ないんですが、このドラマではスタッフさんから『緊張しているなあ』といじられました(笑)」