「やっぱり面白い奴だね」
主演・木下暖日の魅力

―――今のお話を伺ってると、三池組の役者というのは、瞬発力がすごく求められるんじゃないかと思いました。
「そうですね。とはいえ、役者ってアウトローな生き物なので、みんな楽しんでやってくれます。中にはしっかり稽古しないとできない人もいますけど、それはその人のやり方に合わせればいいし」
―――木下さん演じるイクトは、一ノ瀬ワタルさん演じる法務教官から『なんだ、その目は?』と言われたり、劇中でまなざしに言及されることが多いですね。実際、木下さんの目は少し不遜な感じもあって、何を考えているのか分からないところが印象的です。木下さんの吸引力のある目は、映画を魅力的にする1つの要素になっていると思いました。
「あれが素なんだよね。別に演出してるわけじゃなくて、あいつだからできたんですよ。演技初経験の人に指導しても仕方がないから、『そのままでやってね』と。そうすると『こんなリアクション取るんだ』とか、驚きが沢山あって。面白い奴だよね」
―――セリフがなくとも佇まいで魅せるようなところがあります。
「ああいうタイプはあまりいないね。でも女の子といると普段と全然違かったりしてね(笑)。でも個人的には不器用なままでいてほしいな」
―――職業俳優になるためにはテクニックが求められるケースも増えそうです。
「まあ色々経験してって、自分で答えを出してくれと。彼の人生ですからね。でもキャリアの一歩目として今回の作品は悪くないだろうと。面白い奴と出会えてよかったと思っていますよ」