「松坂桃李さんの優しいセリフに心が救われた」
芝居の中で感じたキャラクターの心の変化

三木理紗子 写真:wakaco
三木理紗子 写真:wakaco

―――本作で演じられた“はつ”は、村でただ1人だけ生き残ってしまったことに苦しみますが、松坂桃李さん演じる主人公の町医者・笠原良策から、『好きなことは何?』と声をかけられたことをきっかけに、声が明るくなっていきます。三木さんは、苦しみから少しずつ解放されていく心の変化を、とても丁寧に表現されていましたが、演じ分けはどのように意識されましたか?

「このシーンは、本作で私が『1番大切に演じなきゃ』と思って、たくさん練習して臨んだシーンでした。でも、いざ現場に入ってみると、笠原先生の声がけがとても優しくて、それに心が救われたというか、松坂さんの演技のおかげで、はつの心も自然と開けていけたような気がします」

―――主人公の町医者・笠原良策を演じた松坂桃李さんと2人のシーンが多くありましたが、印象に残っているエピソードや会話はありますか?

「私がNGを出してしまったときに優しく声をかけてくださって、緊張がほぐれたことを覚えています。座長としてひとりひとりの役者さんのことを気にかけてくださっていると、現場で感じました」

―――ロケーションも、本作の大きい魅力だと思います。現場入りして、そこから感じ取った部分も演技に大きな影響を与えたのではないかと想像するのですが、いかがですか?

「福井でのロケだったのですが、ちょうど紅葉のシーズンで、景色も本当に綺麗な中でお芝居をさせていただきました。撮影中ではないですが、木になっている柿をスタッフの皆さんが手で取って食べてたことがあって、和やかな雰囲気でした(笑)」

―――それ食べて大丈夫なんでしょうか(笑)?

「そうですよね(笑)! 『それ食べれるんですか?』って聞いたら、『昔はこんなん当たり前だったよ!』と言われたので、私もいただきました。そんな和やかな雰囲気も相まって、とても美味しかったんです」

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