「自分にしかできないエンタメがある」
――冒頭場面、状況説明を担う池永のモノローグには、ボーカリストである吉野さんの声ならではの魅力があります。モノローグを録る際、どんな気持ちでマイクに向かいましたか?
吉野「えっ、それは考えたことがなかったです(笑)。でも、確かにモノローグ録りの時にも声を褒められることが多いです。アフレコが好きなんですよね(笑)。今回の収録も楽しかったです。
本作の物語は、自分の声からスタートしています。役にしっかり合わせて調整しながら、モノローグの声だけで作品の世界観を表現するように意識しました」
――吉野さんが発する台詞の一字一句、クリアな口跡だと思います。ボーカリストの発声と演技の発声は違うものですか?
吉野「全然別物です。歌は歌です(笑)。普段喋っている声は、お腹から声を出していません。歌唱時のようには張っていない声です」
――THE RAMPAGEの主題歌「Drown Out The Noise」を収録するときはどんな気持ちでしたか?
吉野「今回、デモを全て聞いた上で「これでいきます」と自分で決めました。楽曲の世界観としてどういうテイストでいくのか。プレゼンもしました。全編を観た後の区切りとして、強めのロック調が面白いと思いました。結果、狙いがうまくいきました。
レコーディングも気持ちが入りました。自分が思い描いたイメージ通りの楽曲になり、実際に映画を見て曲が流れた瞬間は、鳥肌が立ちました」
――お芝居も主題歌も吉野さん固有の作品になったと思います。そこで思い出すのは、1st写真集『As i』冒頭に「この写真集では様々な吉野北人を見せたいと思っています」と直筆で書いていたことです。30歳に向けてどんな「吉野北人を見せたい」と思っていますか?
吉野「僕は、自分にしかできないエンタメがあると思っています。今年はその思いを存分に発揮できる年にしたいです。あまり年齢を気にしていないのですが、そうですね、もう30歳が見えてきたんですね(笑)。
撮影中は、学生時代に戻ったようで新鮮な気分を味わっていました。自分が理想とする俳優になれるよう、引き続き、自分磨きを続けていきたいです」
(取材・文:加賀谷健)
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