水川かたまり「いい意味で自分の人生を舐めてもいいんじゃないか」
―――今回の映画は構成作家、どんなに辛いことがあっても面白いことを考えなきゃいけない人ですよね。それは多分、お笑い芸人さんも役者さんも一緒だと思うんですよ。自分がどんなに落ち込んでいても、カメラやお客さんの前では別人を演じなければいけない。メンタルが落ち込んだ時、どう向き合っているのか。それぞれのお考えを聞きたいです。
水川「僕は駄目になりましたよ。如実に集中力を欠いて。普段コンビで活動してるんで、そういう時は割と相方に任せるというか、任せざるを得ないです。ロケの収録とかでも、普通に鶴瓶師匠に話しかけられているのに無視しちゃったりとか(笑)」
正名「右から左に?(笑)」
水川「はい…。辛いことがあったら、そのことばっかり考えちゃうタイプなので」
―――でも、落ち込んだところをとことん見せる、というのも芸人さんらしいかもしれませんね。
水川「いや、でもちゃんと仕事に集中した方がいいと思います(笑)」
正名「話は聞いた方がいいですよね(笑)。ちなみに私は、よりによって本番直前に家族から電話かかってきて、「え、今そういうこと言ってくる?」みたいなことがあったりするんですけど、いざ本番が始まると、その時間はとりあえず芝居に集中すればいいわけだからラクと言いますか。私の場合はむしろ仕事で現実逃避するようなところがあって、『この時間が永遠に続けばいいのに』と思うことが少なからずあります(笑)」
―――最後の最後にこれから本作を見る方に向けてメッセージをお願いします。
水川「生きていれば、日々の生活で疲弊したりとか、嫌になったりすることはあると思うんですけれども、この映画を見たら、いい意味で自分の人生を舐めてもいいんじゃないかと、そういう感覚になるような作品だと思っています。たまには肩の力を抜いてもいいんじゃない? と言われたような気持ちになると思うので、ぜひ疲弊している方は過度な飲酒に走るのではなくて、そのお金をぜひ『死に損なった男』に使っていただけたら嬉しいです。背中を押してくれる映画ですよね」
正名「私からは1つ。とにかく“水川かたまり”という人間の魅力を2時間たっぷり目の当たりにできる映画ですので、ぜひ思う存分満喫してください。それに尽きますね」
―――本日は貴重なお時間、ありがとうございました。
(取材・文:山田剛志)
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