劇中のお笑いディティールについて
今作で最も感激したポイントは、一平の書くコント台本、つまりは劇中で演じられるコントが、全く置きにいったネタになっていなかったところだ。
一平が森口と共に考えた、劇中のコンビ「ピラティス」が賞レースの予選でかけるコント「口パク葬儀」。暗転を含むフリが若干長い気もするが、言い間違いやキャラクターコントではなく、システム的なコントを劇中ネタで作っている姿勢がなんともかっこよかった。
それもそのはず、エンドクレジットには、きっちりと「コント監修・インパルス板倉俊之」の文字があった。『笑いのカイブツ』(2024)の令和ロマンが漫才指導として起用されていたように、劇中ネタをサボらない「お笑いを扱った作品」が増えることを祈るばかりである。