めくるめく絢爛豪華な映像世界
そして音楽もです。これも最近では『劇場版シティーハンター』(2023)などでお世話になってる岩崎琢さん。ボクからしたら「タクちゃんサウンド」が時代感を超えて気持ち良い。ぜひ映像を串刺していくような疾走感リズムとして味わうべきかなと。
さらに音響監督・長崎行男さんは、実は『電波教師』(日本テレビ系、2015)の音響監督でもあり、TVアニメシリーズ『シティーハンター』(日本テレビ系、1987~)レコード会社劇版担当ディレクターから、いくつか華麗に転身された昭和からの恩人先輩のひとり。
それにしてもシナリオや作品世界観を打ち出すのに、必要十分条件を遥かに超えているカット数というか映像トライ数。その際限無い労力にもアタマが下がります。実はあまりの絢爛表現のため、ともすると観てるこちらの目のせいか、たまに“遠近感を見失う”ような感覚になることがありました。
ボクが特に興味を持ったのがこの「大奥」という場所、建物の構造や一連の造作。そこを夢中で追いかけていくとそんな目にあっちゃったんですね。でもそれはこの作品から受ける“ごほうび”のひとつかもしれません。というわけで今回は第二章というこのチームの次回作が期待されますね。
(文・諏訪道彦)
【関連記事】
【写真】絢爛豪華な映像世界に引き込まれる…。貴重な未公開カットはこちら。映画『劇場版モノノ怪 第二章 火鼠』劇中カット一覧
声優交代の是非は? 映画『劇場版モノノ怪 唐傘』考察&評価レビュー。キャラクターを体現した「手の表情」を徹底解説
「演者の数だけ作品との向き合い方がある」アニメ『チ。―地球の運動について―』石毛翔弥が語る声優としての信念とは?
【了】