粟大和との微笑ましいエピソード
―――今回、部下の刑事・吉岡役の粟大和さんとは、同じシーンが多かったと思いますが、演技についてディスカッションなどされましたか?
「『監督はこういうキャラクターを求めていて、こういう関係性でないといけない』など…役について結構話しました。例えば彼はエリートなので、『どんなこと考えているのか?』『どんな所作をするのか?』など細かいキャラクターの心情を話し合いました。あとは、私の役は、叩き上げのイメージがあったので、現場でもその関係性を自然にできるよう、『少し上からものを言うように接してもいい?』と相談しました」
―――役でも現実でも師弟コンビのような関係性を気付けたのではないかと想像します。撮影の合間などでもコミュニケーションを取っていたんですね。山口さんは粟さんと演じる中で、大切にされたことや意識されたことはありますか?
「やはり年齢差もあるので、彼の考えていることと、私が考えていることに異なる部分があると思いました。なので、粟くんがどう芝居をしてくるのかということを意識しながら、その場で噛み合うものを探しました。
実は、粟くんには『本当これ言わないでくださいね!』って釘を刺されてるエピソードがあるのですが、面白かったので書いてください(笑)
ロケ地が富士山のふもとで、富士山を目の前にして、粟くんが『あれって富士山ですよね?』って…。『いや、逆に富士山以外に何見えるの?』ってなりましたよ(笑)。本人は『思ったより小さいなって思いまして…』って言っていましたけど、富士山を見て富士山か疑う人を初めてみました」