映画『山田くんとLv999の恋をする』評価&解説レビュー。作間龍斗&山下美月の演技に胸キュン…原作ファン納得の理由とは?
作間龍斗と山下美月がW主演を務める映画『山田くんとLv999の恋をする』が現在公開中だ。原作漫画はシリーズ累計600万部超(※紙・電子合計)を誇り、期待値が高い本作。今回は、W主演を務めた作間龍斗、山下美月の演技に注目しながら、本作の魅力を紐解いていく。(文・小松加奈)【あらすじ キャスト解説 考察 評価】
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【著者プロフィール:小松加奈】
ライター/編集者。音楽・映画・ドラマ・アニメなどのエンタメ系を中心にインタビュー/レビュー/コラム記事などを手掛ける。フジロックは初年度から参加。プロ野球好き。ジャンルを問わず、心を動かすもの/ことに夢中。
作間龍斗&山下美月演じる山田&茜が魅力的!
彼氏に誘われてネトゲ(オンラインゲーム)で始めるもフラれてしまった大学生・茜(山下美月)。ゲームで失恋のうっ憤を晴らしていると、同じギルド(オンラインゲーム内で組まれたグループのこと)のメンバー・山田と遭遇。ゲーム内で超塩対応の山田に苦手意識があったが、後日、ゲームの1周年を記念したリアルイベントで転んでしまった際に、山田(作間龍斗)に助けられ…。なんと山田は、茜の元彼も知る有名な高校生プロゲーマーで、元彼に再会した茜はレアアイテムの引換券をあげる代わりに、山田に彼氏のふりをしてほしいと頼み込んだのだった。
ゲームでも人間味のあふれるAkane(茜)、必要以上のリアクションをしない能面アフロの山田。リアルでの初対面時に互いを認識するのに時間がかからなかったが、ゲームのキャラクターとリアルで見せる内面がさほど変わらない2人。初対面時にもありのままの自分を見せられる茜の素直さ、そんな茜に振り回されながらも茜につきあい、ふとした優しさも持ち合わせた山田のギャップが魅力。
塩対応だが、山田のうっかり人を好きにさせるような無自覚な優しさに抗えない茜。“恋に興味ゼロ”なのに“とにかくモテまくる”難攻不落の強敵=山田もまた、人を気遣えるコミュニケーション能力の高い茜と会うたびに、彼女の良さを知っていく。そんな2人が自然体のまま、だんだんと互いに惹かれていく過程が実に穏やかで微笑ましく、観る者をホッコリとさせてくれる。
一見真逆の2人のようだが、裏表がなく、面倒見のいい部分が似ていて、彼らの周りに常に人がいるというところにも2人の人間的な魅力が感じられる。心の声がストレートな山田の一言が観る人をクスっとさせたり、茜の頑張り屋なところや人思いの部分に心が温められたり…そうした山田と茜の人となりを、作間と山下が見事に体現。原作を知る人も笑顔にさせてくれるだろう。