なぜ最高傑作？泣ける名シーンをものにした意外なキャラとは？映画『ドラえもんのび太の絵世界物語』評価＆考察レビュー

原作から受け継がれたエピソード

　本作で特に、心に残ったシーンがある。それは、のび太パパ・のび助が、のび太の絵とは知らずに、その絵を見てしみじみとつぶやくシーンである。その声は優しさにあふれ、筆者は、不覚にも涙を落としてしまった。

　無意識ながらも、のび太の持つ絵の感性を認める“父親としての深い愛情”が感じられるのだ。原作では、のび助は画家を目指していたというエピソードがあるのだが、そのエピソードを見てから本作を鑑賞すると、より心に響くだろう。

　筆者は、本作を我が子と共に鑑賞した。息子は、クレアの可愛らしさ、強さと優しさが両立するジャイアンの姿、そして暗黒騎士イゼールの圧倒的な迫力に心を奪われたようだ。

　涙あり、笑いあり、壮大なアクションありと、様々な要素が詰め込まれている本作。映画ドラえもんシリーズ　45周年記念作品を飾るに相応しい作品だ。

（文・シモ）

【作品情報】

原作：藤子・F・不二雄
監督：寺本幸代
脚本：伊藤公志
音楽：服部隆之
キャラクターデザイン：山下晃
美術監督：友澤優帆
ドラえもん：水田わさび
のび太：大原めぐみ
しずか：かかずゆみ
ジャイアン：木村昴
スネ夫：関智一
クレア：和多田美咲
マイロ：種﨑敦美
チャイ：久野美咲
パル：鈴鹿央士
アートリア王妃：藤本美貴
アートリア王：伊達みきお（サンドウィッチマン）
コメント評論家：富澤たけし（サンドウィッチマン）
主題歌：あいみょん「スケッチ」（unBORDE／WARNER MUSIC JAPAN）
挿入歌：あいみょん「君の夢を聞きながら、僕は笑えるアイデアを！」（unBORDE／WARNER MUSIC JAPAN）
配給：東宝
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