「限界を決めず常に新しいことに挑戦したい」映画『おいしくて泣くとき』當真あみが見つめる俳優としての未来。単独インタビュー

text by 斎藤香

長尾謙杜(なにわ男子)が劇場映画初主演を務める映画『おいしくて泣くとき』が絶賛公開中だ。今回は、本作で家庭に問題を抱えた女の子を繊細なお芝居でみせた當真あみさんにインタビューを敢行。初共演となった長尾さんとのお話や、俳優としての未来などたっぷり語っていただいた。(取材・文:斎藤香)

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厳しい家庭環境で生きるヒロイン・夕花に強く惹かれた理由

當真あみ 写真:wakaco
當真あみ 写真:wakaco

―――脚本を読んだ感想と、ご自身が演じた夕花という女の子について、どう捉えたのか教えてください。

「とても温かい気持ちになりました。心也と夕花のラブストーリーを描いた作品ではあるのですが、彼らの周囲の人々の愛もつまった作品だと思いました。

夕花は義父との関係に問題を抱えていて、家庭に居場所がないんです。でも彼女は常に明るく振る舞おうとしているので、夕花のそんな健気さを意識しました。あと『弟を守らないといけない』という強い気持ちも頭の片隅に常に置いて演じました」

―――長尾謙杜さん演じる心也との交流が本作の軸になっていますが、ベタなラブストーリーではなくとても淡く瑞々しく感じました。横尾初喜監督から、どのようなアドバイスがありましたか?

「監督とはたくさん話し合いました。夕花は心也くんに支えてもらっているだけではなく、彼女も心也くんの支えになっていると監督はおっしゃっていたので、 “与えて、与えられる”ことを意識しました」

―――この映画の登場人物はみんな情が厚いですよね。

「はい。心也くんを好きという一方的な気持ちだけでなく、相手のために何かをしてあげたい、支えたいという気持ちが素敵だなと思いました。安田顕さんが演じる心也のお父さんも、息子だけでなく、多くの人に手を差し伸べていて『自分にできることがあれば助けたい』と子ども食堂を運営していています。みんなの小さな温かさがギュッとつまった作品だと感じました」

―――夕花は、厳しい家庭環境だけれど、弟を懸命に守っていたし、本当に頑張っていました。

「強い女の子だと思いました。家庭で傷つけられても、自分の居場所を探したり、辛くても笑顔でいたり、ポジティブさを忘れないところが彼女の魅力です。もし自分が同じ境遇だったら、夕花みたいに行動できないと思いました」

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