長尾謙杜さんの明るさと温かさに助けられた撮影

―――心也を演じる長尾謙杜さんと一緒のシーンが多かったと思いますが、共演してみていかがでしたか？

「とても明るい方でたくさん助けていただきました。撮影初日は緊張していたのですが、長尾さんが気さくに話しかけてくれたので、いつの間にか緊張感がほぐれていきました。撮影現場でもずっと笑顔で元気。ちょっとミスがあっても『そういうことあるよね』と和ませてくださって。長尾さんは現場の空気をいつも温かくしてくれました」

―――心也と結成した“ひま部”とは夕花にとってどういう存在だったのでしょうか。

「希望のような存在だったと思います。“ひま部”に行けば楽しくて、現実の辛さから逃れられる。そこが自分の居場所になればいいなと思っていたのではないかと。“ひま部”があるから、夕花は毎日頑張れたんだと思います」

―――夕花と義父とのシーンは、見ている方も辛かったのですが、実際に演じる俳優さんとしては、お芝居とはいえ怖いシーンに向き合わないといけないわけで。そういうとき、役を引きずったりすることはなかったですか？　

「私は、役の感情を引きずることがあまりないんです。キャラクターの動きの癖とかは、自分に馴染ませるために休みの日もやってみたりするのですが、役の気持ちを私生活に持ち込んだことはなく、今回も撮影が終わったらパッと切り替えることができました。

家庭でのシーンは、お父さん役の池田良さんとしっかり話し合いながら演じたので、私はただ夕花として義父と対峙することに集中していました」