「3人の衣裳やインテリア、小物がエモい」と大反響! 映画『片思い世界』美術・衣装スタッフが明かす制作秘話

text by 編集部

国民的俳優としてトップを牽引する広瀬すず、杉咲花、清原果耶が奇跡のトリプル主演を果たした『片思い世界』が現在公開中だ。「私たち普通に生きよう」という美咲(広瀬すず)の一言から始まった3人の大切な「普通の暮らし」個性と工夫が詰まった大事な部屋と衣裳の制作秘話を美術・佐久嶋依里、衣裳・立花文乃が明かす。(文・編集部)

3人の個性溢れる“居場所”

映画『片思い世界』
©2025『片思い世界』製作委員会

 本作に登場する3人が暮らす古い一軒家には、懐かしさや温かさを感じる宝物のような家具や小物が詰まっている。

 幼い頃から3人で身を寄せ合って暮らしてきたという設定がある為、3人が住む家もそれぞれのキャラクターありきでイメージしたと語る美術の佐久嶋依里は、「例えば、量子力学に興味を持つ優花(杉咲花)は、幼い頃からおまじないや心霊現象などに関心を持ってきたのかもしれないと想像して、本棚に並ぶ本を選んでみました。水族館で働くさくら(清原果耶)はきっと海の生き物が好きなはずなのでベッドには魚のぬいぐるみがあって、手仕事が得意な美咲の近くには端切れ布やミシンなどがいつもあるのではないか、などです」とそれぞれの“好き”をヒントに世界観を作り上げていったと明かす。

 さらに、部屋と同じく、3人の生活を彩る大事なエッセンスになっている衣裳を担当した立花文乃が最初に考えたのは色のイメージだという。

 3人が集まった時に浮かび出る色のイメージについて「何となくですが、揺るぎのない赤と消えてしまいそうな青、という感覚がありました」と話す通り、3人のパジャマや普段着には赤と青が印象的に使われている。まずイメージ画の作成から着手したという立花の頭に浮かんだのは、12年間を3人だけで生きてきた彼女たちの“チーム感”だったそう。

「それぞれに個性がありながらもお揃い感があるような、そんなチーム感が欲しいと思いました」と語る立花が描いたイメージ画には優花が身につけているベストに似たアーガイル柄を中心に、個性豊かな服を身につける美咲、優花、さくらの姿が。優しい色合いの赤と青の色彩の中に刺繍やパッチワーク、つぎはぎなどが施されており、同じじゃないけど確かに繋がっている、3人の強い絆が見事に表現されている。

 イメージ画にもあるとおり、3人の衣裳には、必ずどこかに手作り要素が取り入れられている。立花は「監督とは、彼女たちなりに生活を楽しんでいる感じが現れるといいんじゃないかと話しました。特に美咲は手仕事が得意で、自分だけでなく他の2人の洋服にも刺繍を施したりしているだろうと」と明かす通り、劇中では工夫しながらも唯一無二の着こなしを楽しむ3人の姿が随所に描かれている。

【写真】広瀬すず・杉咲花・清原果耶の衣装&インテリアがかわいすぎ…貴重な未公開カットはこちら。映画『片思い世界』劇中カット一覧

【作品情報】

出演:広瀬すず 杉咲花 清原果耶/横浜流星/
小野花梨 伊島空 moonriders 田口トモロヲ 西田尚美
脚本:坂元裕二
監督:土井裕泰
配給:東京テアトル、リトルモア
公式サイト
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【了】

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