「今まで観てきたものが汚された気持ちになった」
さらに、坂元が作詞も担当した劇中歌である「声は風」について「坂元裕二名義ではない作詞者にしたのには何かこだわりがあるのか?」を問われると、坂元は「エンドロールで『坂元裕二』って名前が出たときに、今まで観てきたものが汚された気持ちになった」と驚きの告白。
その理由について「合唱曲はこの世界のなかにあるものであって、自分で作ったものだと思いたくないし、思われたくないなと思った」と語り、制作の過程で作詞者を「明井千暁」(架空の名前)に変えてもらった経緯があったことを明かした。
映画『片思い世界』についての質問だけでなく、脚本作りやキャラクター作りに関しての質問も飛び交うなど、大盛況のなかでティーチインイベントは終了。
坂元は最後に「これから新しい社会や学校で新しい関係を作ろうとしたときに『この人に自分の言葉が届かないんじゃないか』と不安になることもあって。実際の社会との関わり合いの中でも、人はどこかで『片思い』を持っていると思う。だから、そういう方々の後押しになればいいなと思って作った面もたくさんあります。みなさんの勇気が出る映画になれば幸いです」と会場に集まった観客にメッセージを送った。
(取材・文:ばやし)
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