前田哲監督の「OK」マークが心の支え
―――撮影は関西で行われたそうですが、地元での撮影はいかがでしたか?
「実は撮影を父が見に来たんです。ロケ場所の近くで仕事があると聞いて『見にくる?』と、こっそり商店街の撮影に誘ったんです。そのことを亮平さんに伝えたらなんと『挨拶させて!』と言ってくださって。まさか鈴木亮平さんに父を紹介する日が来るとは思いませんでしたよ(笑)。
亮平さん気さくに対応してくださって、うれしかったです。これがきっかけで、亮平さんとの距離が縮まった気がしたし、トシちゃんと駒子の幼なじみ感が強まったと思います」
―――それは素敵なエピソードですね!
「地元での撮影に家族が来てくれたことで、よりアットホームな気持ちになれましたし『セリフを間違えないように』というような緊張感から少し解き放たれて、日常会話の延長線上で駒子を演じることができたと思います。本当に父と亮平さんとスタフの皆さんに感謝ですね」
―――前田哲監督とのお仕事はいかがでしたか? 関西人同士でやりやすさは感じましたか?
「前田監督は、キャストとたくさんディスカッションして作品を作り上げている印象がありました。みんなが『なるほど』と納得できる着地点を常に見つけて前に進んでいく現場でしたね。
また『カット!』と言った後に必ず『めっちゃよかった!』と言って、俳優に向かってニコニコしながら手で大きな丸を作ってOKをくれるんです。どんなに自分が『今の芝居、大丈夫だったかな』と思っても、前田監督の『カット、OK』を聞くと安心しました。自信が持てましたし『次のシーンも頑張ろう』とやる気もわいてきました」
―――とても明るくて雰囲気の良い撮影現場だったんですね。
「そうですね。撮影が終わってから、監督の家で開催されたたこ焼きパーティにも呼んでいただきまして、亮平さん、架純さん、フミ子の婚約者の太郎を演じた鈴鹿央士さんと一緒に楽しい時間を過ごしました。監督が『大阪から取り寄せたたこ焼き粉やからうまいで!』と腕を振るってくれて。『花まんま』の映画から感じられるやさしい温かみは、監督をはじめ、みなさん本人からもにじみ出ていたんだなぁとこの時改めて感じましたね」