俳優として1番喜びを感じる瞬間
―――キャリアのことをお伺いしたいのですが、ウイカさんはバラエティーや音楽面、そして俳優としても大活躍で、特に近年は俳優業が絶好調という印象があります。ウイカさん自身、俳優活動について、どのように考えて向き合っているのでしょうか?
「私が小学生のときに目指したのは声優だったんです。その後、成長とともに、音楽に目覚めてバンドをやるなどエンタテインメントの世界の中で興味の幅が広がっていきました。高校を卒業するときには俳優として舞台に立ちたいと強く思い、その思いが継続して今の活動につながっています。
俳優のお仕事をいただけるのは本当にありがたくて幸せなことなのですが、正直、演じているときは楽しい気持ちにはなれず、苦しい時間の方が長いんです。なぜかというと『セリフを覚えなあかん』『うまくできへんかった。もっとこうすればよかった』と、いつも反省ばかりだからです」
―――「お芝居は楽しい!」という気持ちではないんですね。
「音楽は、演奏したり、歌ったりしている瞬間がいちばん気持ちよく、ステージでミスをしても、観客の皆さんとエキサイティングな時間を共有しているという喜びと感動の方が大きいんです。でも俳優の仕事は、現場でライブのときのような高揚感は得られない。だから私は作品が公開され、見てくださった方から『良かった!』と言っていただけるときが、俳優としていちばんの喜びです」
―――作品評価がご自身の喜びにつながっていると。
「見てくださった方から『感動したよ』という言葉をいただくと、作品の一部になれた喜びで胸がいっぱいになります。音楽はステージで瞬間的に最高の喜びが得られるけど、映画は完成してからやっと喜びや実感が得られる仕事だと感じています」