台本に書かれていないのに涙が溢れてしまう作品
―――今後の活動はどう考えていらっしゃいますか? お芝居を軸にしていくのでしょうか?
「私は、やりたいことが変わっていくので、今日はバラエティーの収録、明日はドラマの撮影、明後日は音楽番組に出演など、エンタテインメントの世界の中で、毎日違う仕事をしているのがすごく自分にあっていると思います。
天邪鬼なので、ドラマ撮影をしているときは『バラエティーの現場行きたいな』と思い、バラエティーの仕事をしているときは『ドラマや映画に出たいな』と思うタイプ(笑)。周りに迷惑をかけずに求められている状態で仕事ができれば、私にとってはそれが理想です」
―――そういう仕事のスタイルはウイカさんが何でもできるからこそ! ですね。
「私はまだバラエティーもお芝居もひよっこですが、少しずつレベルを上げていって、70歳くらいになったら、すべての分野の大御所になりたい(笑)。冠番組でMCもやりたいですし、お芝居では『ファーストサマーウイカが出ているから見たい』と言われる俳優になりたい。下から鬱陶しがられず、上から疎まれず、どの分野でも必要とされる表現者になるのが夢ですね。
私の性格上、ひとつに絞ると逃げ出したくなりそうなので(笑)、いろいろと挑戦して刺激を与えあいながら、キャリアを積み重ねていきたいです」
―――映画を楽しみにしている方にメッセージをいただきたいのですが、ウイカさんの感動ポイントはどこでしたか?
「やっぱりトシちゃんとフミ子の兄妹の愛ですね。自分にも兄弟がいるので、より強く感じました。また彼らが関わるようになる、もうひとつの家族の気持ちも考えると涙腺が緩くなっちゃって。撮影でも台本に“泣く”とは書いていないのに、何度も涙が溢れてきたシーンがありました」
―――やっぱり泣けるのは家族愛ですね。
「ファンタジー的な要素もありますが、基本は家族の物語です。家族がずっと一緒にいられるとは限らず、失ってしまう場合もありますよね。残された人はどんなに悲しくても生きていかなくてはならない。でもときどき亡くなった人のことを思い出して、人生の大切な場面を見守っていて欲しいと願うことはあると思います。この映画は、残された人のそういう気持ちも描いています。
いろいろな登場人物の愛が描かれた映画なので、見る人それぞれに感動ポイントは違うと思いますが、映画を見た後に『実家帰ってみようかな』とか『友だち誘ってご飯を食べに行こうかな』とか、大好きな人に会いたくなる作品だと思います」
【作品情報】
『花まんま』
4月25日(金) 全国公開
出演:鈴木亮平 有村架純
鈴鹿央士 ファーストサマーウイカ 安藤玉恵 オール阪神 オール巨人
板橋駿谷 田村塁希 小野美音 南 琴奈 馬場園 梓
六角精児 キムラ緑子 酒向 芳
原作:朱川湊人『花まんま』(文春文庫) ✿第133回直木賞受賞
企画協力:文藝春秋
監督:前田 哲(『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』『そして、バトンは渡された』
『九十歳。何がめでたい』ほか)
脚本:北 敬太
イメージソング:AI「my wish」(UNIVERSAL MUSIC / EMI Records)
2025ⓒ「花まんま」製作委員会
(取材・文:斎藤香)
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【了】